教室の中の多様性を確保するにはどうあればいいか?
そのような問いをもった時に浮かび上がる疑問がある。
それは、
「多様であるとバラバラになってしまうのではないか?」
ということ。
「うん。むしろバラバラでいいんだよ」
という考え方をもって今まで実践を重ねてきた。
しかし、もう一つの考え方が見えてくる。
それは
「場があれば、多様なものも自分の中に落とし込まれる」
ということだ。
つまり、
「バラバラにならない多様性」
というものも存在するのではないか?ということ。
多様性を認めると、それぞれが自分が好きなもののみに目を奪われてしまうように思いがちだ。 し
かし、一概にそうとは言えない。
相手が好きなこと、相手が感じたこと、相手が見つめているもの。
これらを「共有する場」さえあれば、人ごとだったものは、自分ごととして心に刻まれていく。
相手と自分の「シンクロ」。
これをいかに生み出していくか?
いや、生み出されている場に気づくことができるか?
ということだろう。
例をあげてみる。
年長の息子は恐竜が大好きだ。
毎日、図鑑を眺め、付箋に熱心に名前を書き込んでいる。
毎週のように図書館で恐竜の本を10冊借り、楽しそうに読みふける。
そんな息子の様子はしばしば家族の話題にあがる。
毎日のように楽しそうに語る息子。
「この前こんなもの見つけたんだよ!」
「この本とこの本、絵を描いている人が一緒なんだよ!」
「○○っていう恐竜は○○だったんだよ!」…
そんな会話を毎日のように聞いているうちに、いつの間にか「恐竜」というのが家族にとって当たり前のものになっていることに気づく。
自分は「恐竜」のことに、全然興味はなかった。
しかし、確実に「恐竜」は自分ごとになっている。
これが「シンクロ」しているということなのだろう。
耳を傾け、楽しそうな様子を見つめ、会話を重ねるうちにいつの間にかそんな状態になっている。
「相手が好きなもの」
「自分が好きなもの」
これらはそれぞれ違う。
だから多様性を求めるとバラバラになる。
確かにその論理は正しいかもしれない。
しかし、必ずしもそうとは言えないはずだ。
つなぎ合わせ、それを語り合う場があれば、バラバラにならない多様性を求めることができるのではないか?
公開で見た「サークル対話」。
あの場は多様性をつなぎあわせる場として機能しているのだろう。
相手の話題に耳を傾け、質問を投げかけ、それに対するイメージを膨らませていく中で多様性が形作られていく。
だから、あの2年生は相手の話題を「自分ごと」として学び続けることができたのだろう。
「多様=バラバラ」
という固定概念は崩すことができる。
そのために必要な要素は何か? もう少し考えていこうと思う。
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