人を成長させるために不可欠なもの

この1週間はとてつもなく密度の濃いものだった。
自分が今まで良しとしていたものが根本から崩れ落ちる感覚。
この感覚は約5年ぶりだろうか。
人の心はどのように成長していくのか?
この遠く深い命題にぶつかり、道を見失い、途方に暮れていた。
しかし、それに至る道筋が見えてきた。

人を成長へと導くために必要不可欠なものはなんなのか?
ここ数年迷いながら試行錯誤を続けてきた。

「目的」だろうか?
「仲間の存在」だろうか?
「自己肯定感」だろうか?
「教師の語り」だろうか?

いろいろな条件で試していくがそれらは複雑に絡み合っているとしか言えなかった。

一回りして同じ結論にたどり着く。
「結局は『その人』の在り方なのだ」と。
しかし、この結論にはもやもやが付きまとう。
なぜなら、結論に対する新たな問いが生まれるからだ。
その問いとは 「人ととしての在り方を高めるために必要なものとは?」 という問い。


最近見えてきたこと。
それは 人の在り方を磨いていくのは「膨大な対話」であるということ。
「会話」レベルではない。
もっと根源的な問いを深める「対話」である。

ここ数日でクラスが学ぶ雰囲気が一変した。
それは、自分の「問い」とクラスの子どもたちの「問い」が重なりあったから。
学び合っていても一定数遊ぶ子は生まれる。
すべての時間、ずっと集中し続けられる子なんてなかなかいない。

まして、苦手な子ならなおさらだ。
おしゃべりが止まらない時もある。
今までの自分はこのような状況を打破するために「語り」を入れていた。
学ぶとは何か?
成長するとは何か?
仲間とは何か?
かしこさとは何か?

「語り」が人を成長させる要素だと考えていたから。

しかし、ここ数日でそれでは足りないことに気づく。
「語り」はまさに上から下へ流れ落ちる言葉。
コップが上向きになっている子には届くが、コップを伏せて閉ざしている子にはしみることはない。


彼らが成長するために必要なものはなんだろう?
それは「問い」である。


なぜ自分はそう在るのか?
なぜあの人はあのように在るのか?


それを外から見つめ、自分の中で対話することでしか成長は生まれない。


昨日話したこと。
今の授業を見ていると 「どんな状況であっても学び続ける人」と「歩みを止めてしまう人」 がいるね。
先生はこの様子を見ていて、すごく不思議に思っていることがあるんだ。
ずっと考え続けていたんだけど、どう考えてもわからない。
みんな。教えてほしい。

ある人は周りでおしゃべりが始まると、すぐにその話にのってしまう。
しかし、そのすぐ隣ではそれにも流されずに黙々と学び続けている人もいる。
こう考えると人が学び続ける理由が「周りの環境」というだけでは説明がつかないんだよなぁ。
みんなはどう思う?
「学び続ける人」と「歩みを止めてしまう人」って、いったい何が違うんだろう?
「学び続けていける人」の心には何があるんだろう?
「歩みが止まってしまう人」の心の中には何があるのだろう?


夢中になって学んでいた子は口々につぶやく。
「本気の気持ちだよ。」
「目標かなぁ…?」
「疑問に思う気持ち。」
「楽しいって思えるかどうかじゃない?」…

子どもたちが、先ほどの自分の学びという体験をレンズにして学びを見つめ始める。

私は伝える。
なるほど。とても興味深いね。ありがとう。
みんなが学ぶ姿を見て先生もその答えを考え続けてみるね。
もし何か『これだ!』というものが見つかったら教えてね。」


問いを投げかけ、対話し、その答えを胸に次へ進む。
ただそれだけ。

「問い」とは「語り」とは違う何かがある。
「語り」とは上から下へ流れ落ちるイメージ。
「問い」とは底から染み出すイメージだろうか。
その後の子どもたち。
雰囲気が一変する。
それぞれの学びに向かいながらも、先ほどの問いを反芻していることがわかる。

自分はなぜ学んでいるのか?
今の自分は学びに向かうことができているのか?
なぜ私は学び続けられるのだろう?
そこには何があるのだろう?

そのような問いを、「自分の外」から投げかけながら学びに向かう。
空気がそんな感じになる。

いかに「根源的な問い」を投げかけ、共に考え、体験を通して見つめ直す場をつくるか。
これが人の成長には必要不可欠なのだ。
『その人の在り方』を磨き上げていくために必要なもの。
それが浮かび上がってきた。

人を成長させるために必要なもの。
それは「対話」である。
「てつがく」的な問い。
それを共に考える場。
考えをもとに再体験する機会。
その小さなものを積み重ねていくことでしか人の成長は生まれない。

これから数年、じっくりと取り組んでいきたいテーマに出会うことができた。
さて、この「対話」の場を積み上げられる場をいかにつくり出していくか?
考え続けていこう。

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