国語の授業を大改革しようとして壁にぶつかりました(RWとWWってむずかしい!)

あすこまさんの「イン・ザ・ミドル」。
イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室
イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室

読ませてもらったけど、すごく衝撃的だった。
自分は今までは「肩に力が入った実践」になりがちだったんだけど、「イン・ザ・ミドル」で紹介されている教室は、いい具合に肩の力が抜けている。
でも、決して手を抜いているわけじゃない。
明確なビジョンがある。

多分「力が抜けている」という感覚はアトウェルの教室が「単元」ではなく、「年間」を通じて子どもたちをじっくり育んでいこうという立ち位置だからなんだと思う。
うん。そうなんだよね。
それは頭ではわかっていた。でも、感覚ではつかめずにいたなぁと。

国語はどうしても教科書が中心になる。そうなるとどうしても単元で学びが「ブツッ」っと切れてしまうんだよな。
そうすると、せっかく質のよいものを提供したって意味がない。
学びはすぐに忘却のかなただ。
それは

この本を読む前から、その課題は感じてはいた。
でも、教科をつなぎ合わせていくことで、なんとかその「ブツッ」と切れる感覚を緩和できないか模索していた。
結果ある程度は緩和できたような気がする。
けど、やっぱりそれじゃもの足りない。
どんなに教科でつなぎ合わせても何かが足りない。

「イン・ザ・ミドル」を読み終えたのはだいたい11月ごろ。
単元をぶち抜いて、年間を通して子どもたちの力を伸ばしていくその姿勢に
かなり刺激を受けたんだよね。

「こんな教室を自分もつくりたい!!」

…ということで
それから1ヶ月以上「リーディングワークショップ(RW)」と「ライティングワークショップ(WW)」を国語の授業の核にすえようと奮闘してきた。
でも、これがきついのなんのって。

あまりにも日本の教室の形とアトウェルの教室の形が違いすぎる。
これを取り入れるにはある程度「変換アダプタ」が必要だ。

その「変換アダプタ」を一生懸命探しているうちに2学期が終わってしまった…
という感じ。

大変だったのは大きくわけて3つ。
1つ目は
「時数の確保」だ。


3475.jpg

こんな感じで、なんとか時間を生み出してみたんだけど、これがなかなか難しい。

クラス会議の時間も捻出したいから、2時間(90分)をぶち抜いてその前半15分をクラス会議に。
そして後半の75分を「RW」「WW」に。
こんな工夫をしてなんとか週3日は時間を確保できた。

本当は毎日時間を確保したいんだけど、それができない。
それが大変だったことの2つ目なんだよね。

大変だったこと
2つ目は
「教科書とのつながりの確保」だ。


日本には国語の教科書があるから、どうしても教えなきゃいけない内容がある。
もしも「RW」と「WW」をするならば、その内容をうまく組み込んでいかないといけない。
これがめちゃくちゃむずかしい。
とくに今回は11月からの導入だったから、いっそう難しかった。
4月からの導入なら、
「あれを先に教えちゃおう」
「こんな子がいるから、これも先取りしておくといいかな?」
とか考えて指導を組み替えていける。
でも、11月だとそれが難しい。
本格始動は来年4月だなぁ…
3学期はできる限りやってみようと思う。


3つ目に大変だったこと。
それはカンファランスの難しさ。


週に3日「RW」「WW」をとる。
75分×3日=225分!
これってかなりでかい。
下手するとこの時間、何もせずにダラダラ・・・。なんてことも。

だからこそ、子どもたちが何を考え、何をしようとしているのか、困っていないかをしっかりとつかみとらないと…
と思ったんだけど、これがめちゃくちゃ難しい。

うちのクラスは36人学級。
36人の学びの状況をすべてつかみとろうとしても、やっぱり無理。
「RW」はまだつかみやすかった。
でも「WW」になるともう破綻した。
11月スタートだったため、下書きをみてもらいたいものが山積み。
それに追われるうちに、集団は見えなくなり、困っている子にも声がかけられなくなってしまった。

これって、もっと戦略を考えていかないとなぁ…と。


4つ目に大変だったこと。
それは「読むってどういうこと?」
っていうテーマにぶちあたったこと。


「RW」ってどうしてもひたすら読むことが大切になってくる。

でも、それが本当に「深い読み」につながっているか?
「深い読み」につなげられているかを考えないといけなくなる。

「読むこと」と「読みふけること」は違う。
「読むこと」と「読み流すこと」も違う。
それをカンファランスしながら、子どもたちに伝えようとするんだけどそれがめちゃくちゃ難しい。

やっぱり、その作品を通して何を感じたか、それを言葉で表現できないと「読んだ」ってことにはならないんじゃないかなぁ?
なんて考えて、こんなプリントを作ってみた。
(アップしようと思ったら手元になかったので、後日アップします)

これは佐藤剛史さんのブログを参考に作成。
佐藤さんはこれを「読書感想文のため」に作成したんだけど、
これを「RW」に応用できないかなと。

こういうことを意識しながら読むだけでも、読みの深さは違ってくるんじゃないかな?と。
1年間、これを書き溜めながら読む。
これをもとにブッククラブを開いたり、読書感想文にまとめたり。
教科書にからめて学習できないかなぁ…。

こういうことをさせないで、ひたすら読むことが大切。
なんて言われそうだけど、どうしてもそこに踏み切れない自分がいる。

この前図書館で借りて読んでいるブッククラブ・メソッドで国語力が驚くほど伸びる!―すぐにはじめられる教材と学習シート付き
ブッククラブ・メソッドで国語力が驚くほど伸びる!―すぐにはじめられる教材と学習シート付き

にも、同じようなことが書いてある。
ブッククラブで使う7種類の問い。(P17)

(1)背景の問い
いつ・どこで・だれが・だれに・・・という基礎知識や予備知識を得るための問い

(2)理解の問い
あらすじや筆者の伝えたいことを見つけ出すための問い

(3)解釈の問い
書いてあることを手掛かりに書いていないことを推論させる問い

(4)予測の問い
その先にどんなことが書いてあるのかを予測させる問い

(5)評価の問い
文章や人物の行動を評価・批判させる問い

(6)創造の問い
物語の続き話を創作したり、ほかの展開や解決法を創作させる問い

(7)個人の問い
「パーソナルリーディング」自分の問題として読ませる問い
「もし自分が同じ状況だったら・・・」

ブッククラブでもこの問いを重要視しながら読んでいる。
ということは、「RW」の時間もこれを考えながら読み進めるって大切なんじゃないかなぁ。


大変だったことの5つ目。
それは
日常にどうからめていくかだ。


「イン・ザ・ミドル」では宿題にも読書を課している。
こういう風に読書を日常的にしようと手をうっているんだけど、それをどうするか。
これって日本の「宿題」っていう考えと真っ向対立してしまうのよね。
ドリル的な、テスト的な宿題と二本立てになったら意味がないし、
かといって、読書のみにするのも勇気がいる。
隣のクラスの先生と相談してみたけど、そこの答えは出ず・・・。
ここも考えていかないといけないと。
週に1回「RW」の時間を設定しても、その他の日は読まないんじゃあまったく意味がない。
どう、日常に落とし込んでいくか。


・・・ということで、課題が山積みの「RW」「WW」。
でも、ここには大きな可能性があるなぁと感じているところ。
国語の授業が「読み」「書き」を往復させていく形に生まれ変われば、他教科の学びもさらに深まるはずなんだけど…。
冬休みは思考の作戦会議だなぁ。

目次にもどる


この記事へのコメント

人気記事

最近の記事

カテゴリ

にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
にほんブログ村